「このままじゃ、あたしたち、恋人になっちゃうわよ」ショウコさんが笑いながら言った。
「やあよ、ショウコさんお風呂長すぎるんだもの、恋人としては相性悪いわよ」答えると、
「ヨーコさん、もっと丁寧に自分のからだみがかなきゃだめよ。こんど糠袋あげるから」とショウコさんが言い、わたしたちはもう一度だけ抱きあった。
「春の虫」/川上弘美
新潮文庫『おめでとう』収録
川上弘美さんの短編に女性同士の恋の話がある、と聞いて、意外に思いつつも読んでみたのです。読んでみると、意外でもなんでもなく、それはやっぱり川上さんならではのお話であったのでした。
なにやらロマンチックになったり、ドラマチックになったりしそうな所を、なんともムードも色気もない、生活感あふれすぎな言葉で「抜いて」しまう。おかげでちっともロマンチックにもドラマチックにもならない。
そんな、あたたかくて、おかしくて、少し哀しくてせつない「川上節」が、癖になってしまいそうです。
『おめでとう』には十二篇の短編が収録されています。
もう若くはない女性たちの、ゆるやかな恋のお話。
「春の虫」のヨーコさんとショウコさんをいっとき結びつけたのは、恋情なのか友情なのか…なんて、川上さんの描き出す情感を分類わけしようとするのは、不粋というものでしょうね。
このほかにも、かつて恋人だった女性に十年ぶりに会いに行く女性の話「いまだ覚めず」も収録されています。
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●ピエタ(榛野なな恵/全2巻/集英社ヤングユーコミックス)
以前「卒業式」という作品も読んだんですが、この方の描く絵柄も人物も非常にクールで理知的、という印象ですね。(代表作の「Papa told me」は未読ですが)
両親に愛されずに心を歪ませてしまった少女と、良質な愛情を注がれながらもそれをうまく受け止められなかった少女。生きるために愛情を必要とした彼女と、愛情を与えることで自分らしく生きることを知った彼女の物語。
百合なのは間違いないんですが、恋人というよりはほとんど母娘のような関係なので(特に後半は)、その辺りは読む人の好みが別れる所かも。
●ラブタンバリン(後藤羽矢子/全2巻/大都社ダイトコミックス)
百合として紹介するのは、なかなか微妙な作品です。人によっては「地雷」と思われるかも。特に、書店で表紙だけ見て買った方は「騙された!」とか思う可能性も。(笑)
まず、Hマンガです。(成年指定はないですが)
そして設定が……女性しかいないラウルスという惑星のお話で、この星の住人は三ヶ月周期で一日だけ男性化することによって子孫を残すという……ああ、何かもう、これだけで百合スキーさんには引かれてしまいそうですね…。
ですが、個人的にはこの話は百合だと思ってます。
かなり昔の作品なんですが、今回読み返してみて「懐かしー!」そして「やっぱりこの話好きだな〜」と思いました。
複数の恋人を持つ事が「生物的必然」の世界で(そうでないと妊娠する確率がきわめて低いので)、あえて「結婚」という選択をしたベスとリラのお話。
Hマンガでありながら「生涯ただ一人の相手を愛すること」とはどういうことなのか?というテーマに真摯に向き合った作品です。
(参考リンク→後藤羽矢子さん本人のサイト「パソはやの素」)
日曜日の朝刊にセンター試験の問題が載っていまして。何とはなしに国語の問題文を読んでみましたら。
んん…?
女子高の文芸部? 彼女たちは二人とも自分のことを「僕」と呼んでいた?
……な、何かそこはか〜となく百合っぽい雰囲気の話が、問題に使われてるなぁ…。
で、その後ネットに繋いでみますと。
「ボクっ娘×2かよ!」
「センター試験にも百合の波が!」
なんてツッコミが早速、あちこちのブログで上がっていて笑ってしまいましたよ。
…まだ早朝5時だったにもかかわらず。
いやはや、ネットの情報(と書いてツッコミとルビをふる)の速さはすごいな〜と改めて驚嘆した次第。
ちなみに、問題文の出典は『僕はかぐや姫』(松村栄子・著)という小説でした。(参考書評)
う〜ん、表紙には見覚えあるけど、未読。
まあ、けして百合作品でないとは思いますが。(おそらく少女期のジェンダーにまつわるテーマの作品かと)
実は前号は、もやもやした感じのまま次回へ続く!という作品が3篇もあったせいか、もうひとつな印象だったんですよね。さすがに季刊誌で鬱っぽい引きはツライです…
でも今号は全体的に甘らぶ度が高くて、いい感じです。
以下、大したネタバレはないですけど、一応。
私が買っている書店における、「コミック百合姫」の置き場所の変遷。
第1号→少女漫画誌コーナー。店頭の最も目立つ場所。
第2号→ゲーム雑誌コーナー。店内の少し奥。
そして今回の第3号は…
ゲーム雑誌コーナーのさらに奥。いわゆる美少女Hゲーム専門誌が並べられた棚の中に…
「百合姉妹」の頃から、書店での置き場が安定しない雑誌ではありましたが。
……どうなんでしょうか、これは。
おまけに、他のHゲーム誌と同じように、しっかりビニールで密封されてるし!
ついにエロ本扱いですか?!
おかげで今回、買うのがかなり恥ずかしかったです…
えー、中身はこれからゆっくり読もうと思ってます。
おかあさん ゆうべ夢を見ました
まだ生まれてもいない赤ちゃんが わたしにいうのです
男に生まれたほうが生きやすいか
女に生まれたほうが生きやすいかと
わたしはどっちも同じように
生きやすいことはないと答えると
おなかにいるだけでも こんなに孤独なのに
生まれてからはどうなるんでしょう
生まれるのがこわい
これ以上 ひとりぼっちはいやだ
というのです
わたしはいいました
「まあ生まれてきてごらんなさい」と
「最高に素晴らしいことが待ってるから」と
朝起きて考えてみました
いったいわたしが答えた
「最高の素晴らしさ」ってなんなのだろう
わたし自身もまだ
お目にかかっていないのに
ほんとうに なんなのでしょう
わたしは自信たっぷりに
子どもに答えていたんです
「バナナブレッドのプディング」/大島弓子
白泉社文庫『バナナブレッドのプディング』
朝日ソノラマ『大島弓子選集7』ほかに収録
先日文庫版を買い直して、久しぶりに(十数年ぶり?)読み直した「バナナブレッドのプディング」、そのラストシーンです。
これはもう今や、少女漫画の古典的名作、そしてマンガ史に残る名文句と言ってもいいでしょうね。
久しぶりだったので、大島作品特有のノリというかテンポのようなものに、慣れるのにちょっとだけ時間が掛かりました。それでも、読み出すとやっぱりぐいぐい引き込まれていきます。
調べてみたら、これ初出は1978年、もう30年近く前なんですよね…
こんなに奥深い作品を、少女の頃にリアルタイムで読んだ人たちも、今はほとんどが母親になってるんだろうなあと思うと、なんというか、ちょっと感慨深いものがあります。
「最高に素晴らしいこと」って、本当にいったい何なんでしょう。
未だに私にもはっきりとはわかりません。
でも、それを知るために、生きているのかも、なんて…思うときもあります。
>葵〜蝶の夢〜ウマ━━━━(゚Д゚)━━━━━!!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!(←一度使ってみたかったんです;)
ウマーでしたか。(笑) ありがとうございます。
関係ないですが、上の「キター」を検索してて、この語源が織田裕二さんの目薬のCMだということを初めて知りました。…ってホントに関係ないですね。(汗)
小説が1冊、マンガが15冊。(うち百合関連のマンガが10冊)
さらに翌日。近くに新しくできた古本屋さんにて、
吉野朔実さんの「ぼくだけが知っている」第5巻
(すでに文庫版が出てるんですが、その前に単行本で4巻まで揃えていたので、この最終巻だけずっと探していたのです)
ひぐちアサさんの「おおきく振りかぶって」第1巻
など3冊を購入。
合計18冊のマンガ本と、1冊のハードカバー小説が、段ボール箱の中にぎっしり。
このお宝で寒い冬をやり過ごそうとほくそ笑む私。(←きもい)
しかし…
読み終わった後、この大量の本をいったいどこにしまえばいいのかと考えると…
すでに床の上に直積みの本が溢れている部屋を見渡して、途方に暮れる私でした。
…でも幸せ。(←阿呆です)
なんとか「コミック百合姫vol.3」の発売よりは先に、公開できました。(笑)
ずっと
強い心を持たなくちゃって
自分に言いきかせてきたけど
心に必要な強さは
鋼(はがね)の強さじゃない
「1リットルの涙」
(原作:木藤亜也/漫画:KITA/幻冬舎バーズコミックススペシャル)
頑強で、何物にも動じないような強さ、よりも。
柔軟で、全てを包み込めるような強さ。
そういう「強さ」に憧れます。
どちらの「強さ」からも、遠くかけ離れているのが、私自身の現状なんですけども。(泣)
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皆様、新年あけましておめでとうございます。(遅いよ)
いつの間にやら、世間の正月シーズン(?)も終わりな雰囲気ですね。
初詣に行くとか、お餅を食べるとか、そんな正月っぽいイベントを何ひとつこなしてないというのに…
まあ、ここ数年は似たような感じの過ごし方をしてますけど。ひたすら寝て食べてごろごろしてるだけという。
…はっ! こんなふうだから、いつまでたっても煩悩が減っていかないんでしょうか…?
というかむしろ……年々煩悩が増えていってる気がしなくもないです。(泣)


