気候もすっかり春らしくなったので、今日は「そうだ!桜を見に行こう!」と思ってたんですが。
折からのどんより曇った天気と吹き荒れる強風に、あえなく挫折。
それでもとりあえず外に出てみたらば、部屋の中より数段じめじめした空気と、異様に生暖かくて湿った風。
こっ…こんなの春風じゃないやい!
私が見たいのは、青空に爽やかな風の中咲く桜なんだよう。(贅沢だけどもさ)
そんなわけですっかり心が挫けたので、カレー食べてマンガ買って帰ってきました。
ちなみに買ったのは、
『街角花だより』(こうの史代)
『もずく、ウォーキング!』2巻(施川ユウキ)
の2冊。こないだ足りなかったほのぼの分補充計画です。
さあ、今夜はこれ読んでだらだらするぞー。
…そんな駄目びと春の一日。
…と情欲に突き動かされまして、マンガをたくさん買い込んできましたよ。ほとんどが百合とは関係ないものですけど。
ちなみにラインナップはこんなんです。
『素晴らしい世界』2巻(浅野いにお)
『G戦場ヘヴンズドア』1〜3巻(日本橋ヨヲコ)
『金魚屋古書店』1、2巻(芳崎せいむ)
『strawberry shortcakes』(魚喃キリコ)
『悪霊』(高寺彰彦)
『石の花』1、2巻(坂口尚)
『SCAPE-GOD』(高遠るい)※やや百合要素あり?
しかし何というか、偏ってるんだかバラエティに富んでるんだかよくわからないラインナップですなぁ……いややっぱり偏ってるか。
もう少し気楽に読めるものとか、ほのぼの系の話も買ってくればよかったと、少し後悔してるとこなのです。
疲れてしまったんだ 闘うのも守るのも
カゼノトオリミチ/堀下さゆり
作詞:堀下さゆり
NHK「みんなのうた」で放送され、ジブリチーム作成の映像と共に話題になっていたこの曲なんですが。
ちょっと矢野顕子さんを思わせる声で歌われる、冒頭のフレーズ。何度聴いても染みてしまいます。疲れてるのか私。
で、ここから、
「昨日まで息してた窮屈のあの場所に 戻らなくてもいいのかな」
「ここから先は君の自由だ 進むも戻るも好きにしていいから」
「君と同じ毎日を営む 素晴らしい夢を見た」
と来て、曲のラスト近く。
さぁ生きるため戻ろう
じっくり聴いてたら、少し泣きそうになってしまいましたよ。ええ曲やなぁ…。
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円山町というのは、渋谷の繁華街近くにあるラブホテル街のこと。これは、そこを舞台にしたオムニバスシリーズです。
三篇のお話が収録されていて、そのうち「渋谷区円山町 放課後」(前後編80頁)が女の子同士のお話。
![]() | 渋谷区円山町 おかざき 真里 (2004/09/15) 集英社 この商品の詳細を見る |
特に理由もないまま、「友達」であるはずの相手から陰湿な嫌がらせを受け始める糸井由美。だけど彼女は、そんな状況から必死で目を逸らしていた。「大丈夫」「友達なんだから」と自分に言い聞かせて。
そんな彼女を渋谷へ誘ったのは、「いつも一人でいて、平気で、すごいな」と思っていた有吉ゆきえだった…
ねえ あたしたちには
キスより 買い物より 放蕩より 冒険より
学校より
こーして抱き合うことが必要だったんだね
あたしたちはずっと
いっしょに泣く場所を捜していたんだね……
行き場をなくして街をさまよう二人の少女。
二人が最後に得たものは、固い絆。そして、泣きたい時には泣くことのできる場所。
物語の中盤以降、二人がずーっと手を繋いでいるのが印象的です。
初期短編集を読んだ時にも思ったんですけど、この作者さんが描く女の子同士の関係って、「友情」とか「恋情」とか言うより、「共犯関係」と呼びたくなるような濃密さがあるような気がします。
初期はやや独特だった絵柄も、かなり見やすいものになってますね。クールなように見えて、でも実は情に篤そうな有吉が、やたらとかっこいいです。(笑)
(映画での有吉役の女の子は、ちょっとイメージと違うのが残念…)
あと、完全に「友情もの」だと思って読んでたんで、某シーンには不意打ちでどきどきさせられました。
あれはしちゃったのか…それとも未遂だったのかな…?
今の夢のすみずみまで書きとめて、刻印して、封じこめて永遠に大切にしたかった。
でも、違う。
どんどん手に入れては、手放していく美しさ。強くつかんではいけない、あの海も、遠くへ去る友達の笑顔も。
明日も、どこかで目覚めようと思う。
きっと、生きていて、どこか幸せなところで新しい気持ちで。必ず寝た時に持っていた自分の魂のままで。夢のなかでその確かな感触とはぐれてしまわないように。
ごくごくと水を……私はどこかでこの話を誰かに聞いたことがある。と、思った。
誰か美しい、天然の笑顔で、甘い声で、誰かが、かぼそく光る空間でいつか。すべてのはじめにいた、もういない、とても愛している。会いたい。
あの子。
アムリタ/吉本ばなな
角川文庫『アムリタ(下)』より
ページから溢れ、こぼれてくるようなむき出しの感性。
この小説で初めて吉本ばななさんの作品に触れた時。圧倒されました。
楽しいことも悲しいことも不思議なことも、出会いも別れも、日常のみっともなさも、死や喪失すら呑みこんで、前へ進んでいく力強さ。軽やかさ。
登場人物たちのそういう姿に、深い羨望と憧憬を感じさせられたものです。
そう感じるのは、私がそういう人間ではないから、でしょう。
最初に読んでから8年経った今(もう8年経ってるんだ…自分で書いててちょっとへこみそう)、読み返してみて、変わらず羨望と憧憬を感じながら同時に「私は、こういうふうにはなれないな……」なんて思います。
そしてこの話を読み返すたびに、今は遠く離れているある友人のことが頭に浮かびます。
私の頭の中では、この話の主人公・朔美が、ずっと彼女の姿で再生されてしまうんですよ。あまりにもイメージが合いすぎて。
あーそうか……彼女にも、もう8年も会ってないんだなぁ…。
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「弥生……あんたはまたいきなり何よ?」
「聞いてよ五月(さつき)! この前の土日ってすっごく暖かかったじゃない? 誰もがまさに春到来!って思うくらいに」
「あんたの頭はいつでも春が訪れてるけどね……」
「だけどあれは、私たちを油断させる為の恐ろしい罠だったのよ!
何なの、この二三日のとんでもない寒さは!? よくもだましてくれたわね!」
「いや、あたしに言われても」
「五月、あんたが早く5月にしないからこんなことになるのよー!」
「無茶言うな。ていうか弥生。今は3月なんだから、むしろあんたの領分じゃないの?」
「でさ! マッチ売りの少女って話あるじゃない!」
「聞いてないし……」
「あの話でさ、女の子がマッチを擦るじゃない?」
「ああ、雪の中でマッチの炎に映る幻を見ながら死んでいくんだっけ。あれも考えてみたらひどい話だよね」
「私さ、こないだの陽気にだまされて暖房器具みんなしまっちゃったから、昨日はあの可哀相な女の子みたく部屋でマッチ擦ってみたの」
「……あんたの場合、可哀相な女の子というより、放火魔にしか思えないのは何故だろう」
「そしたらさ! 見えたのよ私にも!」
「…ふーん、何が?」
「一本目を擦ったら、五月の笑顔が!」
「え……」
「二本目を擦ったら、部屋で着替えをしてる五月が!
三本目を擦ったら、家族とカレーを食べてる五月が!
四本目を擦ったら、ドラマのラブシーンに赤面してる五月が!」
「………………ぉぃ」
「五本目を擦ったら、お風呂でいろんな所を丁寧に洗ってる五月が!
六本目を擦ったら、ベッドの中でドラマのシーンを思い出して××してる……」
「えーーーい、それ以上喋るな! この覗き魔ーーーー!!」
……。
ひさしぶりに書いた記事がこんなんでごめんなさい。
あまりの寒さにパトラッシュの毛皮にくるまれて天に召されそうでしたけど、いちおうまだ生きております。




